家のテレビを地デジ化して以来、テレビ本体とレコーダーで3番組まで同時に録画できるようになったもんだから、とにかく気が向いたら片っ端から録画予約しまくって、そのくせ案の定、ほとんど観る時間がないので、溜まり放題に溜まっている。
休日前などに、子供たちが寝静まってから夜中に一人でまとめて観るのが楽しみのひとつだ。
お笑い番組と音楽番組がほとんどなんだけれども、映画もまあまあ録る。
先週末は、BSで録ってあった森田芳光の『家族ゲーム』を観た。
なんとなく松田優作を見たい気分になったので。
83年の映画とあるから、自分が高1のときに公開された映画だけれども、初めて観たのはテレビでだったと記憶している。
高校2年くらいのときに観た気がするから、公開後、割とすぐにテレビ放映されたのだろう。
テレビ放映では、映画ラスト近くで松田優作が沼田家の全員を殴り倒すシーンがカットされていて、観た翌日にそのことをクラスの友人に知らされ、なんとなく損した気分になったのをよく覚えている。
その後、割とすぐに完全版を見直した。
いかにも80年代的な、ポストモダン的屈折感の映画だし、森田芳光ってその後すっかり地味だし、高校生当時はすごく好きな映画だと思ったけれども、今観ると恐らくかなりイタいのではないかと恐る恐る観たが、いやはや、やっぱり面白かった。
別にそれほどイタくない。
確かに80年代的な衒いが感じられるシーンもままあるけれども、今観ても全然面白い。
松田優作は、我々の世代は、小学校の頃に「太陽にほえろ」が夕方くらいの時間帯に再放送されてるのを見て、っていうパターンが多いようなのだけれども、自分はそんなのを見てなくて、『蘇る金狼』も『野獣死すべし』も見てなくて、この『家族ゲーム』が実質的な初体験だったように思う。
それだけに当時はやたらと鮮烈な印象を受けた。
あ、いや、『探偵物語』とかは見てたかな……。
その松田優作ももちろんかっこいいんだけれども、今回改めて観ていると、宮川一朗太がものすごくいい。
ちょい役の戸川純もかわいい。
伊丹十三が後に『お葬式』というけったいな映画を撮ったけれども、あれはこの『家族ゲーム』への出演にかなりインスパイアされてると思う。
翌日、松田優作つながりで『蘇る金狼』を観る。
なんとなく。
たまたま録画してあったので。
こっちは1979年。
当時は小学6年生。
映画が公開されてたのは記憶にあるけれども、観てはいない。
子供だから。
大藪春彦の原作小説がうちにあったのを覚えている。
本など滅多に読まないうちの親が読んでたくらいだから、相当に売れた本なんだろう。
読んでないけど。
子供だから。
イメージとしては、もっとハードな社会派ドラマだと思ってたんだけれども、観てみたら、全然娯楽アクション映画だった。
面白いんだけど、突っ込みどころも多い。
チョップ一撃で大の男がバタバタ気絶して倒れていくのがしらける。
が、松田優作は文句なくかっこいい。
音楽がケーシー・ランキン!
そう、SHOGUNです。
ちょっと映画音楽としてはどうなの?って感じだし、この音楽のせいで映画全体の「古くなってる感」がかなり増量している気がするけど、小6の頃に流行ってたのを思い出した。
「BAD CITY」とか。
でもやっぱりおれは『家族ゲーム』の松田優作が好きだな。
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