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2011年10月

2011年10月27日 (木)

PCオーディオへの道(6)

息子の部屋に置いたJ213PRO は、十分なほどによく鳴ったのだけれども、同時に限界も感じた。
やっぱりこのサイズのスピーカーは、このサイズなりにしか鳴らない。

以前、師匠のところで、小型ながらとんでもなく鳴るフルレンジ1発のスピーカーに感動したことがある。
とにかくフルレンジだから音像がばっちり決まる。
それでいて低域もちゃんと出ている。
その印象が強烈で、小型のスピーカーを置くならあんな感じに鳴らしたいというのが、漠然としたイメージとしてあった。

しかし、それはやはり1本ウン十万のスピーカーなのであって、いくらヤフオクで中古良品を物色したところで、想定している2~3万程度の予算でそんな音が得られるわけはないのだ。
当たり前だけど。

その当たり前のことに、息子のオーディオを組んでみてあらためて気づいた。

て言うか、2~3万では息子オーディオの音さえ超えられ可能性も高い。
ヤフオクの相場を観察するにつれ、ますますそう思えてくる。

そう。なんのことはない。
どんどん欲深くなっているだけだ。
どうせベッドサイドオーディオなんだからそこそこ鳴れば十分、って最初は思ってたはずなのに、どんどん求める水準が上がってきている。

うーむ。

それだったらいっそ…………、アレか?

……そうだ、アレがある。
実家にはまだアレが眠っているではないか……。

そのサイズゆえに、当初は思ってもいなかったアリモノ。
中3のとき、息子オーディオに使った A-819 と同時に買い与えられたあいつ。
あれを置いちゃえばいいじゃないか……。

ネットで改めてサイズをチェック。
調べてみると、意外なことにあいつも「ブックシェルフ型」。
ただし大型の。
大型のブックシェルフって、語義矛盾じゃないのかね。

でも、置けそうだ。
自室の狭小スペースにでも、なんとかおさまりそうだ。

中3から高校卒業まで鳴らしまくり、大学に入って上京するときには大きさゆえに連れて行くのを断念。
卒業して実家に戻ってから少しは使ったんだったかどうだったか、その辺の記憶がなぜか全くないのだけれども、使ったとしてもわずかな期間だと思う。
使ってなかったとしたら、25年以上鳴らしていないことになる。

鳴るかな。
腐ってないかな。

とりあえず持ってきてみよう。
押し入れにずっと入れてあるから、傷やホコリからは守られているはず。

……で、持ってきました。

Sn3t0163

パイオニアS-180A

当時のベストセラーモデルで、一応銘機と呼ばれている。
ややドンシャリだが、明るくパワフルな鳴りのスピーカーで、状態の悪いものでも、オークションではそれなりの値がつく。
中学生なりに、いろんなオーディオ雑誌のレビューやショップの店員の話を参考にして相性を考え、A-819と組み合わせた。

ウーハーのエッジがウレタン製なので、それはさすがに劣化してボロボロ。
ご覧の通り形は残っているけれども、触ると崩れてきそう。

しかーし。
それ以外は、想像以上にきれいで、カドもぶつけてないし、目立つ傷も全くなし。
ぴっかぴかじゃん!
こんなにきれいなS-180Aってそうそうないんじゃないの??

これはイケるかもしれん、と急に期待が高まった。
いや、もう大丈夫に違いない。

アンプがないから音出してチェックができないけど、鳴るに違いない。
息子の部屋にでも持ってってつないでみりゃいいんだけど、面倒だ。
もう音は出ると決めた。
そして、こいつで行くと決めた。
だってこんなにきれいなんだから、使わなきゃもったいないじゃん。

ウーハーのエッジは、ネットであれこれ調べた結果、自分でなんとか補修できそうだということもわかった。
DIY用に部材を販売しているショップもある。
鳴らなかったら自分で直す!

……かくして、ほんの簡易オーディオのつもりが、どんどん大げさになってきた。
その代わり、スピーカーに金を費やさずに済むことにもなった。
その分を、残るアンプにつぎ込める。
ますます楽しくなってきた。

さあ、次はアンプだ。

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2011年10月22日 (土)

PCオーディオへの道(中入)

そういうわけで、まずは先に息子の部屋に簡易オーディオを組んでみることにした。

息子は大して音楽を聴くわけではない。
聴くときは iPod で聴いている。
アニメの主題歌とかそういうの。
最近ちょっと聴く頻度が高くなってきた様子。
いずれは部屋にオーディオがほしいと言うかもしれない。

まだ息子の方からの要求があったわけではないけれども、ほしいかと聞くとほしいと言う。

よし、それなら置いてやろう。

親バカでもあるかもしれない。確かに。
でも今回のは、自室のオーディオを組む前のリハーサルと言うか、実験と言うか、そういう意味合いが強い。
このくらいのサイズのスピーカーの鳴り具合を、まずは息子の部屋で試してみて、イメージをふくらませたい。
それに、iPod がそのままドッキングしたりするいまどきのミニ・オーディオ・コンポみたいなのを息子がほしいとか言い出す前に、アリモノで置いてしまえば、新たに買い与えずに済むだろうという計算もある。

で、置いてみました。
こんな感じ。

Sn3t0218


スピーカーは、前回ふれたJBLのミニモニター J213PRO。
学生時代に買って、また地元に戻ってからは、ほとんど鳴らすことなく格納されていた。

アンプはオンキョーのA-819 という30年前のモデル。
自分が中3のときに親に買い与えられたもので、学生時代も東京に持って行って使っていて、その後はずっと実家の押入れに眠っていたのをまた掘り出してきた。
よく中3にこんなの買ってくれたな、しかし。
当時は羽振りが良かったんだろう。
たぶん15年くらいは電源入れてない。
動くか……。

……動いた。
インジケーターのランプが何個か切れてるけど、大丈夫。
セレクターの接触が悪く、最初は右チャンネルの音が出なかったが、ガチャガチャやってたら出るようになった。
さすがにガリは多少残っているが、使用上支障ない。
スピーカーも問題なく鳴る。
こいつはエッジが布製なので、劣化にも強い。
よっしゃ。

いざ組めてみると、もったいないくらいにいいセットではないか。
息子にやらなくても、これ、自分用にしときゃいいんじゃないのか……。

A-819 は、日本のアナログオーディオ全盛期の製品であって、たくきよしみつも、ぼくのオーディオの師匠もおなじことを言ってるのだけれども、とにかくこの頃のオーディオは「真面目に」作ってある。
虚仮威しのデザインや機能で誤魔化すことなく、この価格設定でどこまでクオリティの高い製品を提供できるかということに各メーカーがひたすら真面目に取り組み、しのぎを削っていた時代だ。
「トランジスタやなんかのパーツも、この時代のものは質が高い」と師匠は言っていた。
今時の同価格帯のアンプと比べても、ズシリと重いはず。

アンプの前に転がしてあるのは、SONY の 8000円くらいの安物ディスクマン。
ステレオミニジャックをA-819の AUX につないであって、息子はそれにこのディスクマンか iPod をつないで音を出す。

ご覧のとおり、見た目はダサい。
アンプといっしょについでに発掘してきた、やはり30年物の SONY のチューナー(アンプの上に積んであるやつ)のデザインがこれまた中途半端に古くて、とてもダサい。
でも、この1円も使わずに(厳密には、スピーカーケーブルとチューナーのフィーダーアンテナ各数百円は使いました)、アリモノだけで組んだセットで、中1にはもったいないほどの音がまだまだ十分に鳴った。
やはり J213PRO はとてもまとまりのいい素直な鳴りのスピーカーだ。
パワー感が持ち味のA-819とは相性もいいのかもしれない。
中域がクリアに、のびのびと押し出されてくる感じは、とても好感が持てる。
ハイの鳴りも実にきれい。
最近の、量販店とかによく置いてある、5万円くらいの、デザインは小奇麗だけどいかにも手抜きみたいな作りのデジタルオーディオなんかよりは、格段にいい音がするはずだ。当たり前だけど。
これで iPod も CD も聴けるんだから、いいじゃないか。
A819はヤフオクでも1.5万円くらいの相場。スピーカーも2万円くらい出せばこのレベルのものは買えると思う。
5万円出すなら、どう考えても中古でずっといいものが揃うよな……。

惜しむらくは、この良さを息子がまるで理解していないと思われることだけれども、まあいずれわかってくれるかもと期待しておこう。
もっとかっこいい新しいやつがほしい、とか言うなよ、息子よ。

よし、いける。
80年代オーディオで、デジタルファイルもちゃんと鳴る。
いよいよ次は自分の部屋だ。

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2011年10月21日 (金)

PCオーディオへの道(5)

PCオーディオを試してみようと決めたら、楽しくてたまらなくなった。
オーディオじゃなくても何でもそうだけど、何を買おうか考えているときがいちばん楽しい。
まるで未知の世界だったので、それをゼロから調べて勉強するのもまた楽しい。

たくきよしみつ「大人のための新オーディオ鑑賞術」読後は、ひたすらネット検索で勉強して、だんだんPCオーディオの全体像がつかめるようになってきた。

PC上のファイルをソースとして音楽を鳴らそうとする場合、そこから最終的な音の出口であるスピーカーやヘッドフォンに至るまでの経路には、いくつものオプションが考えられる。
近頃は、デジタル信号をそのままインプットできるデジタルアンプなるものもある(そんなことすらあまりわかってなかった)。
が、いずれにせよ、デジタル・スピーカーなんちゅうものは存在しない。
音の出口は必ずアナログである。
どこでどのようにデジタル信号をアナログに変換するか。それだけでも多様な選択肢があって、悩ましいけども楽しい。

しかし、まずはアナログの太古からの定石を踏む。
オーディオはスピーカー選びから始まる。
なんだかんだ言って、オーディオはスピーカーで大半が決まる。
まずは自分のイメージに合ったスピーカーを選び、そのスピーカーを最も効率的にドライブするために残りのシステムを組んでいく。
それがオーディオの常識だ。
PCオーディオとて例外ではあるまい。

スピーカーを選びつつ、PCからスピーカーへ至る経路について勉強する。
まずはこの至福のプロセスを堪能した。

ただし、今回は制約も大きい。
なんせ引っ越したばっかり。
無理した一軒家で家賃も高く、ただでさえ異常に高かった我が家のエンゲル係数は、さらに大幅に跳ね上がっている。

ずばり、今回のオーディオ選びのテーマは、「低予算・省スペース」だ。

スペースについては、そもそも自室の2畳ほどの空間しかない。
また、なくてもすむような贅沢品に投入する資本など、本当は1円たりともない。
でも、今回のプロジェクトの予算として、とりあえず自分に5万円を計上することに決めた。
そう、たったの5万円、だ。
それくらいなら許してほしい。

もちろん、いくらヤフオクを活用すると言っても、5万円で全てのセットを組むのは無理なのであって、この額は、アリモノの活用を想定の上ではじき出されている。
たとえばCDプレーヤーは複数台あるから、どれかを使い回せばいい。

さて、その上で、いよいよスピーカーを選定。

2畳程度の狭小スペース。
使用するのはおそらく子供達が寝静まった後の深夜がほとんどだろうから、ヘッドフォンの出番はやはり多そうだし、スピーカーはそんなにガンガン鳴らなくてよい。
ベッドのすぐ横、まさにベッドサイド・オーディオ。
どう考えても、コンパクトなブックシェルフ型がよさそうだ。

小さめの音量でもきっちり鳴るスピーカー。
見た目もすっきり、デザインにも品位を求めたい、できればヨーロッパ製とかがいいな……。

そんなイメージで主に中古市場を物色開始。

が、しかし。
ヤフオクとか探してるとすげえ楽しいんだけど、どうも思ってたより相場が高い。
て言うか、やっぱりヤフオクはマーケットも目が肥えてて、いい出物はちゃんと値が上がっていく。
程度のいいモノ、名の知れたモデルは、割高感さえある。

うーむ。
YAMAHA の NS-10M あたりならたくさん出回ってるし、根気強くチェックし続ければ手頃な値段で入手できるかなあ……。
でもデザイン好きじゃないしな。
うーん……。

実は、スピーカーもアリモノがある。
JBL の J213-PRO というモデルで、学生時代、狭いアパートでも使える小型スピーカーをと買い求めたものだ。
決して悪くないスピーカーで、こんな(↓)評価もある。

http://www3.ic-net.or.jp/~ojima/audio/speaker/j213.html

いや、これは褒めすぎじゃないかなあ。
ここまでいいとも思わないけど、確かに中域の押し出し感はあるし、フルレンジかと思うほどのまとまりのよさもとてもいい感じ。
サイズも想定にぴったり。

でもなあ……。
これはもう(自分にとっては)新鮮味ないしなあ。
それに、これは息子に使わせるつもりだったしなあ……。

そうだ。
これは息子が使うべきだ。
まずは中1の息子用のオーディオを、息子の部屋に組んでみよう。
金は1円も使わずに……。

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2011年10月17日 (月)

PCオーディオへの道(4)

日毎にでかくなる3人の子供を狭いマンションで育てていくには、いずれ限界が来る。と言うか、もうかなり来ている。とずいぶん前から感じていた。
子供が小学生くらいのうちはまだなんとかなっても、これが中学生、高校生となってきたりしたら、どうにもならなくなるのは確実だ。
部屋のレイアウトをあれこれ考え、DIYで収納棚などを次々に作ったりしていろいろ工夫はしてきたけれども、限られた空間内のことだから、結局は無理がある。
ずっと貫いてきた「A(オーディオ)とV(ヴィジュアル)は別」主義も、テレビをプラズマに買い換えたのを機にあきらめ、とうとうオーディオセットとテレビも組み合わせてしまった(それはそれで楽しさもあったけど)。

もうこれは思い切るしかないっちゅうことで、いちばん上の子の中学入学時が最後のチャンスと一念発起して、ついに一軒家を借りて引っ越したのが今年の2月。

家計は更にかなり苦しくなるが、いざ越してみると、なんでもっと早くこうしなかったのかと思うほどに一軒家は快適なのだった。

一度組み合わせてしまったAとVはもはや分離するのが難しく、新居でもそのままリビングに設置。

借りる家はとにかく広さを重視したので、上の息子と真ん中の娘にそれぞれ部屋を与えてもまだ余裕があり(3歳児には部屋は与えない)、自分専用の部屋として6畳の和室を使う自由を得た。
ベッドを置き、書棚やら何やらを置くので、決して広くはないけれども、それでも窓際に2畳ほどのスペースが残る。
当然のごとく、簡単なものでいいから、ここに2つめのオーディオセットがほしい……

そういうタイミングで読んだのが、たくきよしみつ「大人のための新オーディオ鑑賞術」だったのであった。

この本によって、2つめの簡易ベッドサイドオーディオ(のつもりだったもの)は、思いもよらぬ方向へかじを切ることになる。

もともとデジタルファイルをソースとして音楽を聴くなんちゅうことにはまるで興味がなく、PCオーディオに関する知識はほぼゼロだった。
iPod や mp3プレーヤーの音の悪さは知っていたし、そもそも通勤時間は5分だし、外を回る仕事でもないので、家以外で音楽を聞く機会などまずない。
家ではちゃんとしたCDプレーヤーとちゃんとしたヘッドフォンで聴く。
わざわざ音楽をファイルにする意味などない。
そう考えていた。

ところが、携帯を新調したのをきっかけに、デジタルファイルにして音楽を持ち歩くという行動様式をちょっとだけ試してみたら、まあそれはそれでなかなか楽しく、しかしやっぱり疑問も感じるようになって……というのは(1)で書いたとおり。
たくきよしみつには、『デジカメに1000万画素はいらない』にもずいぶん啓蒙されたけれども、なるほど携帯プレーヤーについての知見もたいへん筋が通っている。

しかし、この『大人のための新オーディオ鑑賞術』は、序盤におけるデジタル音楽ファイルや携帯プレーヤーに関する記述もさることながら、やはり中盤以降のPCオーディオの概説に真骨頂があった。

以下、再び共感したこと、学んだこと、啓蒙されたこと。

・オーディオ趣味は内心面倒だと思うようになっていたが、PCオーディオにしたらまた改めてオーディオライフが楽しくなった。(「オーディオは面倒」に共感。PCオーディオにすればまた楽しくなるのか??)

・音楽ソースの管理はデジタルの利便性が高く、音の出口はアナログにこだわるのがよい。(ソースはCDでもPC上のファイルでも音質に大差はない。また、音質は結局は音の出口、つまりスピーカーで大半が決まる。昨今はかつては手の届かなかった憧れの上級機も、ヤフオク等で安価で手に入る……。なるほど!)

・デジタル信号は伝わるか伝わらないかしかないのであって、エラーなく伝送される限り、例えばケーブルの品質などによって音質が劣化するということは理論上あり得ない。従って、そこに金をかけるのはナンセンス。(うーむ、確かに。地デジも、受信できる o r できない しかないのであって、アナログテレビみたいに「映りが悪い」なんてことはないしな……)

・手段はデジタル、魂はアナログ。デジタルで悩むのは疲れるだけで面白くない。手段の部分はさっさと解決して、残ったアナログ部分で遊ぶべき。(おおお、確かに! ソースをデジタルで割り切っちゃえばすげえ気楽そうだし楽しそうだ!)

そう。
特に気に入ったのは、上の3点目のポイント。デジタル信号は100か0であって、LANケーブルやUSBケーブルで音質が変わるなんちゅうことは理論上あり得ないのだ、と。
そして、重要なのは、DAC(デジタル/アナログ・コンバータ)であり、そっから先である、と。
そっから先はヤフオクでも使って往年の名機を安くゲットして楽しめばいいじゃん、と。
手段であるデジタル部分には、大して金かかんないし、かけてもおんなじだからサクッと割り切っちゃえよ、と。
この本で言ってるのは、要するにそういうことである。

確かにこれはめっちゃ楽しそうだ。
金もたいしてかからなそうだ。

やってみたい。
すぐにでもやってみたい。

……そういうわけで、やってみました。

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2011年10月14日 (金)

PCオーディオへの道(3)

正直、オーディオはもう面倒になっていた。

狭い家でアナログレコードを保管し続けることに無理を感じて諦め、アナログプレーヤーとレコードすべてを実家送りにしたのがもう10年くらい前か。
CDオンリーのシステムにしてかなりすっきりしたはずだったけど、それでもデカいスピーカーやクソ重いアンプと増え続けるCDは居住スペースを圧迫して家族の不評を買う。

しかもうちにはこの13年間、常に未就学児が1人以上は居住している。
子供からオーディオとCDを守るのは大変だ。
特にいちばん上の息子はCDによくいたずらをする子で、手を焼いた。
うちのCDのかなりの部分は、ケースが割れていたりヒビが入っていたりする。
愚息が棚から出しては嬌声を上げながらぶん投げて遊んでいたからだ。

そもそもオーディオには金がかかる。
うちのスピーカーやアンプ、CDプレーヤーなどはどれも独身の頃に買ったものばかりで、なにせ当時は給料全部小遣いだから、ハイエンドとは程遠いものの、まあ中~上級機といっていいレベルのものが揃っている。
しかし、現在3人の子供を食わせながら、それらを更にアップグレードしていくだけの甲斐性はぼくにはとてもありません。

オーディオ趣味の喜びは、やっぱり次々にシステムに手を加えていくところにあるのであって、乳幼児の手からなんとか守ろうとする戦いのみの日々には、単なる苦労しかない。

そして、何つっても、うちのような乳幼児のいる狭い家では、落ち着いてオーディオなんて鳴らしていられない。

子供が起きてはしゃぎまわっているうちは、その相手もせねばなるまい。
テレビやビデオを見始めたら、音楽は鳴らせない。
寝たら寝たで、オーディオは子供たちの寝室のとなりにあるので、結局音は出せない。
じっくり腰をすえてオーディオを楽しむなどという時間は、ほとんでゼロと言ってもいいくらいだった。

気がついたら何日も電源すら入れていないということもよくあった。
音楽を聴くためではなく、オーディオのコンディションを維持するために、聴いてもいないのに鳴らしておく、ということのほうがむしろ多かったかもしれない。
これでは何のために決して小さくないスペースを占有してまでわざわざデカいオーディオセットを置いているのかわからない。

結果的に、オーディオはリビングにデンと居座りながらもほとんど鳴らされず、音楽は子供たちが寝静まったあとに、別室でヘッドフォンで聴くのが基本になった。

ヘッドフォンの利点はまず、隣近所に対しても、また、寝入った子供たちに対しても迷惑を気にせず大音量で聴けること。当たり前だけど。
そして、比較的安価で上質のサウンドが容易に得られることだ。

もちろんヘッドフォンにもハイエンドにはウン十万という製品もあるけれども、ほとんどのメーカーは実質上のフラッグシップ機といってよいモデルを5~10万円くらいの価格帯に設定している。
程度の良い中古などを狙えば5万円以下でも入手できる。
それなら手が届くし、複数台所有も難しくない。

いつの間にやら、「面倒」で「手のかかる」メインのオーディオセットはほとんどほったらかしになり、ヘッドフォンばかりで遊ぶようになってしまってました。

いや、PCオーディオへ向かう過程を書くつもりが、なんかグチばっかりになったな……。

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2011年10月 1日 (土)

PCオーディオへの道(2)

たくきよしみつ「大人のための新オーディオ鑑賞術」 を読んで啓蒙されたことをいくつか箇条書きにします。

・日本の音楽配信サイトの多くはDRM(コピーコントロール機能)付きのWMAファイルで配信しているが、iTunes や iPod はこのファイルを再生できない。必然的に iPod ユーザーは、iTunes Store からAAC形式で買わざるをえない。

・ソニーはもっとひどく、当初はmp3すら再生不可。独自のATRAC形式でゴリ押ししてきた。その間に、mp3を再生できる iPod が着々とシェアを広げた。現在はmp3 も AAC も再生できるが、時すでに遅し。

・音楽データを無圧縮のWAVで保存していくことでサイズが大きくなることを避けるのなら、ロスレス圧縮(可逆圧縮。また無圧縮に再変換できる)でオープンソースのFLAC形式がおすすめ。(mp3は非可逆圧縮。いったん圧縮すると元には戻せない)

・従って、携帯音楽プレーヤーは、WAV でも FLAC でも mp3 でもそのまま再生でき、なおかつ出来ればSDカードなんかを突っ込めて、カードを抜き差しすればいくらでも無限にデータを蓄積できるのが理想。しかもWAVかFLACで保存していけば、ファイル形式を変換しなくてもPCでもプレーヤでもそのまま再生できる。それが可能なのは、韓国のCOWON社製プレーヤーである(!)

おおお、なるほど!
そうだったのかー。
要するに、ユーザーは、apple や sony の顧客囲い込み戦略のために、どえらい不便を強いられているだけなのだ。

この本を読む前も、確かに、何故 iPod にはSDカード類を突っ込めないのだろうというのは疑問だった。
8GBだろうが30GBだろうが、いずれはいっぱいになる。
いっぱいになったらどうしようもない。
カードを抜き差しできれば、いくらでも入れ替えができるのに。

そして、WAVかFLACをそのまま再生できれば、余分な手間なく、SDカードの抜き差しだけでPCとデータを簡単にやり取りできる。

考えてみれば、こんなことはできて当たり前じゃなきゃおかしい。

そして、たくきよしみつのえらいところは、ちゃんとそれができるモデルまでも紹介しているところだ。

COWONなどというブランドは聞いたこともなかったけれども、調べてみると amazon でも普通に扱ってるし、値段も安いし、デザインもいいし、なおかつ音もいいってことで評判もいい。
どう考えてもこれがいいじゃん、携帯プレーヤー。

それで思わず買ってしまいそうになったけれども、そこはとりあえず我慢。
おれがほしいのは携帯音楽プレーヤーではない。
(でも今後買うなら絶対COWONだ)

序盤で激しく納得しつつ本をさらに読み進み、いよいよPCオーディオに目覚めていくことになる……。

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