さらば、プロフィール・プロ
対応が遅れていたうちのマンションも、ようやく今月か来月には地デジ対応にするという。
エコポイント制度は延長になったけれども、テレビについては、この3月末までになる可能性が高いとも聞く。
そろそろ年貢の納め時だろう。
12年に渡ってうちで活躍してきたSONYのプロフィール・プロをついに諦め、地デジ対応テレビに乗り換える決心をした。
SONYのプロフィール・プロというのは、かつてはテレビ局のモニター用にも定番として用いられていた、知る人ぞ知る、ブラウン管テレビの傑作である。
テレビっちゅうか、チューナーは内蔵していないので、厳密には「モニター」。
12年前で、25~26万くらいだったと思う。
さらに専用チューナーが10万くらいしたはずで、当時それは買う余裕がなかったので、しばらくはずっとビデオデッキ経由にしてビデオデッキのチューナーで地上波を受信していた。
後にヤフオクで専用チューナーを入手したところ、画質が劇的に向上したのも印象深い。
いろいろ細やかな画質の設定が可能で、コツはちょっとトーンを落とし気味にしてやること。
アナログBSなどでは特に、実に美しい陰影と深みが出た。
他所で普通のブラウン管テレビの映像を見ると、なんと汚いことかと思ったものだ。
それがいつしかデジタル・液晶の時代になり、画像の細やかさでは、さすがのプロフィール・プロでもとても太刀打ちできなくなった。
しかしそれでも、個人的には、液晶テレビのあの平面的な、陰影のない、のっぺりした画像がどうしても気に入らず、心の中では、うちのプロフィール・プロの方がよほど深みがあるぜ、と負け惜しみを言っていた。
が、もはや使い道がなくなる以上、仕方がない。
いや、うちに巨大な倉庫でもあれば、捨てずに是非取っておきたい。
実際、例えば、古いビデオテープなどを再生するなら、デジタルテレビよりも、プロフィールで見た方がずっと綺麗に見られると思う。
そもそもテレビじゃなくてモニターなんだから、そういう用途で残しておくのは「あり」だとも思う。
何より、愛着がありすぎて、処分するのが忍びない。
でも、この12年間に、故障も2回あった。
1回目のときは、修理に来てくれたサービスマンが、「ブラウン管テレビの歴史を象徴するようなモデルです。大事に使ってください」と言った。
2回目のときは、「いちおう直りましたが、どれだけ保つかわかりません。次に壊れたらたぶんアウトです」とのことだった。
どれだけ保つかわからないものを取っておいても仕方あるまい。
新しいテレビの配達時に、泣く泣く引き取ってもらうことにした。
このテレビのために専用に自作したテレビ台ももう用無しになる。
電気屋のおっちゃんは、無造作にプロフィールを運び出し、あろうことか横倒しにして手荒に台車の上へ放り出し、あっという間に持ち去ってしまった。
その5分くらい前まで、愚妻と、どうする? やっぱりおいとく? などとうじうじ話していたのに。
「もったいないですねえ」くらい言ってくれればいいのにと思ったけれども、言われるとかえってまた決意が揺らいだかもしれない。
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コメント
「プロフィールプロ」で検索してやって来ました。お心察します。深く共感いたしまして、思わず書き込みしております。
ウチはまだまだ使っております。というより、我が家の唯一のテレビであります。
家族6人、子どもが4人(6才長男、4才長女次女双子、1才3女)おりますが、日曜の朝仮面ライダーをプロフィールプロで、見ております。
それ以外は、アンパンマン、トトロ、お母さんと一緒などです。
私は仕事の関係で、全くテレビを見ませんし、家内も今まで子育てで、それどころじゃなかったです。
昨年、ソニーから「発火情報」が出ました。それでも、使っております。
実は、私にとっては2台目です。
(何と2台同時に買って、1台は保存しておりました。1台目のブラウン管焼けがひどくなり、2台目をなリました)
そのうち、でっかい液晶テレビをドカーンと買う予定ですが、それまではまだまだ使い続ける予定です。
投稿: 寺嶋誠也 | 2011年1月25日 (火) 11時15分