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2009年2月 9日 (月)

平田弘史『血だるま剣法』を読む

平田弘史の貸本時代の傑作に、『血だるま剣法』という被差別部落出身の武芸者を主人公にした40年以上前のマンガがあって、そのあまりに過激な内容ゆえ、発表後すぐに絶版の憂き目にあった……
というようなことは、なんとなく知識として知ってはいたのだけれども、その作品が4年ほど前に、呉智英の監修で奇跡的に復刊されていたということは知らなかった。

早速入手して読む。

うーん、確かに『血だるま剣法』、すげえ。
まず、こんなに古いマンガなのに、読んでて普通におもしろい。
エンターテイメント作品として、単純におもしろく読める。
呉智英の解説もきっちりと実にいい仕事。

ついでに、比較的最近の作品も何冊か購入して、現在、次々と読破中。
もともと歴史モノが好きなのもあるけれども、どれもめちゃくちゃおもしろい。
時代考証なども(たぶん)ものすごくしっかりしているのだと思うけれども、基本はすべてエンターテイメントに徹しているのが偉い。あまりに正しい。
そして、やはり絵が異様に上手い。
さすがは大友克洋も師と仰ぐ細密表現のパイオニア。
歴史的意義は「血だるま」かもしれないけれども、やっぱ最近の作品の方が、そりゃ読むにはさらにおもしろい。
しばらく平田弘史のマイブームはおさまりそうにない。

しかし、それよりも何よりも、もっとも興味深いのは、ネットであれこれ検索していくうちにわかってきた、平田弘史本人の人となりであった。

竹熊健太郎のブログにある平田弘史訪問記がすんごくおもしろいので、超おすすめ。

この人、これだけの技術を持ちながらもなお、劇画はあくまでもカネのためにやむなく描いているのであって、経済上の必要さえなければ、マンガなんか「誰が描くか」、と(笑)。
自宅には、「趣味の仕事場」があり、旋盤やドリルをはじめ、ちょっとした町工場並みの設備がある。
ネジも自分で切るし、カセットデッキのキャプスタンベルトも自作する。
そう、これぞ正に我が理想とすべき生活スタイル。人生の師だ。

ちなみに、誰が見てもマンガ家のホームページだとはわからない平田弘史のサイトは、本人のこだわりのあまり、Mac の、しかも少し古い環境でないとまともに見られない。

これだけは何とか考え直してもらいたい。

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