落花生
昔から落花生には目がなくて、あれば際限なく食べてしまう。
独り暮らしのときなんかでも、よくスーパーで買ってきては酒のツマミにしていたのだけれども、食べ始めると止まらないので、あっと言う間に巨大な殻の山ができた。
ビールにも、日本酒にも、焼酎にも、何にでも合う。
普段食べていたのは、もちろん中国産だ。
国産は高い。
よく千葉産のも売ってるけど、ちょっとしか入っていないのに、中国産の倍以上の値段がついている。
1粒に換算すれば、5倍も10倍もするんじゃないだろうかと思う。
しかし、やっぱり国産は美味い。
同じ食べ物だとは思えないくらい、味が濃厚で深い。
国産を食べてしまうと、もう中国産なんか食べる気になれない。
どうにかならないものか。
と、常々思っていたら、田舎の伯父母が、数年前から落花生を栽培し始めた。
収穫は秋のはずだけれども、落花生はまず土を落として洗って干して、と、収穫してからがやたらと面倒くさいらしく、そうやって世話しているうちに忘れてしまうのか、毎年今頃の季節になってやっとお裾分けが手に入る。
この、伯父母産の落花生というのが、もうめちゃくちゃに美味い。
こんな美味いものがあるかというくらいに美味い。
見栄えはあまりよくない。
1つ1つが小粒で、売り物にはなりそうにない。
しかし、小粒ながらも、中身はぎっしり詰まっている。
それをナマでもらって、家で煎って、煎りたてを食う。
この煎りたてというのが、最大のポイントだと思われる。
千葉産の高級種でも、スーパーでは煎りたては買えない。
やや煎りすぎて、焦げかかったやつがいちばん美味い。
煎りたてと言っても、フライパンやなんかで煎るのは難しいので、もっぱら電子レンジで温めるだけだ。
それがいちばん確実に塩梅よく調理できる。
ちゃんと火で煎る技術があれば、そっちの方がさらに美味いのかもしれない。
平素は、どんな美味いものでも、子供が欲しがればすぐに譲ってやるのだけれども、この伯父母の落花生だけは、子供たちにも譲らない。
子供は殻を割るのが遅いので、もたもたしている間にどんどん食う。
1粒も分けてやらない。
ちょっと焦げ目のついてそうなやつを選んで優先的に食う。
ビールを飲むのさえ忘れそうになる。
おそらくカロリーがものすごいのではないかとも思うのだけれども、それは考えないようにしている。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント