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2009年2月

2009年2月18日 (水)

落花生

昔から落花生には目がなくて、あれば際限なく食べてしまう。
独り暮らしのときなんかでも、よくスーパーで買ってきては酒のツマミにしていたのだけれども、食べ始めると止まらないので、あっと言う間に巨大な殻の山ができた。
ビールにも、日本酒にも、焼酎にも、何にでも合う。

普段食べていたのは、もちろん中国産だ。
国産は高い。
よく千葉産のも売ってるけど、ちょっとしか入っていないのに、中国産の倍以上の値段がついている。
1粒に換算すれば、5倍も10倍もするんじゃないだろうかと思う。

しかし、やっぱり国産は美味い。
同じ食べ物だとは思えないくらい、味が濃厚で深い。
国産を食べてしまうと、もう中国産なんか食べる気になれない。
どうにかならないものか。

と、常々思っていたら、田舎の伯父母が、数年前から落花生を栽培し始めた。

収穫は秋のはずだけれども、落花生はまず土を落として洗って干して、と、収穫してからがやたらと面倒くさいらしく、そうやって世話しているうちに忘れてしまうのか、毎年今頃の季節になってやっとお裾分けが手に入る。

この、伯父母産の落花生というのが、もうめちゃくちゃに美味い。
こんな美味いものがあるかというくらいに美味い。

見栄えはあまりよくない。
1つ1つが小粒で、売り物にはなりそうにない。
しかし、小粒ながらも、中身はぎっしり詰まっている。
それをナマでもらって、家で煎って、煎りたてを食う。
この煎りたてというのが、最大のポイントだと思われる。
千葉産の高級種でも、スーパーでは煎りたては買えない。
やや煎りすぎて、焦げかかったやつがいちばん美味い。

煎りたてと言っても、フライパンやなんかで煎るのは難しいので、もっぱら電子レンジで温めるだけだ。
それがいちばん確実に塩梅よく調理できる。
ちゃんと火で煎る技術があれば、そっちの方がさらに美味いのかもしれない。

平素は、どんな美味いものでも、子供が欲しがればすぐに譲ってやるのだけれども、この伯父母の落花生だけは、子供たちにも譲らない。
子供は殻を割るのが遅いので、もたもたしている間にどんどん食う。
1粒も分けてやらない。
ちょっと焦げ目のついてそうなやつを選んで優先的に食う。
ビールを飲むのさえ忘れそうになる。

おそらくカロリーがものすごいのではないかとも思うのだけれども、それは考えないようにしている。

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2009年2月 9日 (月)

平田弘史『血だるま剣法』を読む

平田弘史の貸本時代の傑作に、『血だるま剣法』という被差別部落出身の武芸者を主人公にした40年以上前のマンガがあって、そのあまりに過激な内容ゆえ、発表後すぐに絶版の憂き目にあった……
というようなことは、なんとなく知識として知ってはいたのだけれども、その作品が4年ほど前に、呉智英の監修で奇跡的に復刊されていたということは知らなかった。

早速入手して読む。

うーん、確かに『血だるま剣法』、すげえ。
まず、こんなに古いマンガなのに、読んでて普通におもしろい。
エンターテイメント作品として、単純におもしろく読める。
呉智英の解説もきっちりと実にいい仕事。

ついでに、比較的最近の作品も何冊か購入して、現在、次々と読破中。
もともと歴史モノが好きなのもあるけれども、どれもめちゃくちゃおもしろい。
時代考証なども(たぶん)ものすごくしっかりしているのだと思うけれども、基本はすべてエンターテイメントに徹しているのが偉い。あまりに正しい。
そして、やはり絵が異様に上手い。
さすがは大友克洋も師と仰ぐ細密表現のパイオニア。
歴史的意義は「血だるま」かもしれないけれども、やっぱ最近の作品の方が、そりゃ読むにはさらにおもしろい。
しばらく平田弘史のマイブームはおさまりそうにない。

しかし、それよりも何よりも、もっとも興味深いのは、ネットであれこれ検索していくうちにわかってきた、平田弘史本人の人となりであった。

竹熊健太郎のブログにある平田弘史訪問記がすんごくおもしろいので、超おすすめ。

この人、これだけの技術を持ちながらもなお、劇画はあくまでもカネのためにやむなく描いているのであって、経済上の必要さえなければ、マンガなんか「誰が描くか」、と(笑)。
自宅には、「趣味の仕事場」があり、旋盤やドリルをはじめ、ちょっとした町工場並みの設備がある。
ネジも自分で切るし、カセットデッキのキャプスタンベルトも自作する。
そう、これぞ正に我が理想とすべき生活スタイル。人生の師だ。

ちなみに、誰が見てもマンガ家のホームページだとはわからない平田弘史のサイトは、本人のこだわりのあまり、Mac の、しかも少し古い環境でないとまともに見られない。

これだけは何とか考え直してもらいたい。

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2009年2月 3日 (火)

たくきよしみつ『デジカメに1000万画素はいらない』を読む

図書館でふと手にとって、最初は正直それほど期待せずに読み始めたのだけれども、2、3ページ読んだだけで「うーむなるほど」の連続。
(自分にしては)あっと言う間ににおしまいまで読んで、結果的には実に参考になった。
マニア向けではなく、あくまでも一般の初心者向けに書かれているけれども、ポスターサイズにプリントして写真展に出品する、とでもいうのでなければ、実際にはこの本に書かれているレベルの内容が最も役に立つと思う。

そう、以前から疑問には思っていたのだ。
うちの母親はカメラを趣味にしていて、デジタルも、ソニーのαなんとかっていう一眼レフを持っている。
もちろん1000万画素。
子供の運動会だの発表会だのの撮影はもっぱら任せているので、うちの子供たちのデジタルの写真は、母親が撮ったものが多い。
画素数がでかいから、ファイルも重くて、1枚が3MBを超える。
たくさん撮ってくれるのはありがたいが、うちの貧弱なPC環境では、だんだんつらいものがある。
そして何より気になるのは、ファイルがでかい割にはさほど美しくないということなのだ。
いや、もっと言うと、うちのデジカメで撮った写真の方がむしろきれいな気がする。

この本によると、その理屈は、おおよそ以下のようなことらしい。

デジカメでは、銀塩フィルムの代わりにCCDという撮像素子で画像を細かい光の点(画素)として記録する。
従って、画素数は、確かに多ければ多いほど解像度が上がるが、CCDの面積にはそもそも限りがある。
小さいCCDにたくさんの画素を詰め込めば、結果的に1画素あたりの面積が小さくなり、受け取れる光量が減少する。
だから、よほど細部をクローズアップすれば、1000万画素が500万画素よりも解像度が高いのはもちろんだけれども、写真を全体として見た場合、むしろ500万画素以下のモデルの方が、色の階調が豊かに見える。
そもそも1000万画素デジカメの画像は、200dpi でプリントしてもA3サイズを超えるという途方もない大きさであって、日常の実用には適さない……

うーむ、なるほど!

これは正に自分が普段から感じていた印象そのままだったので、実に目からウロコであった。
そう、母親のデジ一で撮る写真は、色調が地味なのだ。

対する自分の常用機は、ニコンのcoolpix5000。
2001年発売の、当時の coolpix シリーズのフラッグシップ機だと思うのだけれども、定価は15万。それを何年か経ってから中古で2~3万で入手した。
2/3型という、最近のモデルと比較すれば「巨大」なCCDを搭載し、画素数は500万。
正に本書の著者が理想的と考えるようなモデルではないかと思う。
やたらと操作が複雑で、ボタンも小さくていぢりにくいのが大きな大きな欠点だとは思うが、明らかに母親のαよりも色調の美しい写真が撮れる。

ちなみにこいつの前に使っていたのは、オリンパスのCAMEDIA C2040ZOOM というモデルで、こっちの方は、この著者も「名機」として紹介している。
F1.8という、後にも先にもない明るいレンズを搭載したカメラで、そのレンズの明るさに惹かれて買ったのだった。
そう、そもそもどうもこの人とは馬が合いそうなのだ。

前からなんとなく感じていたことが、本書によって論理的に裏付けられて、自分のcoolpix5000がよりいっそう愛おしくなった。
このようなタイプのデジカメは、もはや絶滅危惧種らしいのだ。

もちろん、一眼レフではないので、人物などを撮るときにボケ味が出せないのは確かに痛い。
その点では母親のαと比べるべくもない。
そういう写真を撮りたいときは、致し方ない、いつでも銀塩に戻って、長年の愛機、ニコンF3に頑張ってもらえばよい。

ともあれ、本書を読んで、俄然、デジタル撮影にやる気が出た。
これまでは、所詮デジタル、俺は最後までフィルムカメラと心中するぞというくらいの気分でいたのだけれども、デジタルの利便性の高さにはやはり抗しがたい魅力があるのも事実。
撮影上のヒントも本書からたくさん得た。
デジタル一眼レフの古くなったモデルを中古で買おうかと考えたこともあるけど、(例えばニコンのD1とか、定価60万とかだったのが今や2万とか……)、やっぱデジタルはこの coolpix5000 にいましばらく働いてもらおう。

あと、巻末に紹介されていた画像処理のフリーソフト「Irfan View」も素晴らしい。
著者が書いているとおり、フォトショップは重たくて頻繁に起動する気にはとてもなれない。
その点、Irfan View の機動力の高さは画期的だ。
こういうソフトがあると、なおさらデジタルの魅力は倍増する。

うーん、しかし、ますますF3の出番が減るなあ……。

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