70年代歌謡の映像を見ていると、何だか泣き出したくなるような、得体の知れない強い感情が自分の中にあふれ出てくるのを抑えることが出来ない。
歓喜のような、それでいて思い出したくもない哀しい記憶のような、プラスともマイナスともはっきりしない、ただただとにかく濃くて深い情動だ。
これはまるで精神の胎内回帰ではないのか、とまで言ったらまあ大げさ、か。
もちろん、70年代の歌謡曲なら何でもいいというわけでは、全然ない。
今回 You Tube 漬けになっているうちに気がついたのだけれども、自分の感情を激しく動揺させるのは、全て、1973~1975年、昭和で言うと48年~50年の頃の映像ばかりだ。
これは、自分が幼稚園~小学校2年生の頃にあたる。
どうやらぼくが歌謡番組を見るようになったのは、6歳、幼稚園の頃かららしい。
もともと記憶力は人よりかなり悪いらしいのだけれども、そういえば、この6歳~8歳頃については、ほとんど何も覚えていないと言っていいくらい、記憶が薄い。
もしかして、無意識のうちに潜在意識下に封印した、何か深く重い体験があって、当時の70年代歌謡がその禁断の鍵を揺さぶるのだろうか(笑)。
とまあ、そんなことまで考えてしまうくらい、この時期の歌謡曲が、自分の中に深くインプリントされているらしい。
具体的に言うと、まずは何をおいてもとにかく秀樹。
そして、どういうわけか、キャンディーズ。
さらには、フィンガー5や、最初期の桜田淳子と山口百恵。
自分の感情の奥底でなにかが激しく反応するのは、これらのアイドルたちである。
もちろん、こういったアイドルのCDはとっくの昔に入手しているのであって、正直、You Tube で映像を見るまでは、今さらそんなに自分が動揺するとは思っていなかった。
しかし、音だけで聴くのと、映像で見るのとでは、やはり全く違うのだ。
しかも、You Tube はもともと画像も音も不鮮明である上、これら30年以上前の映像となると、なおさら質が悪い。
が、逆にそれが、どうもクるらしい。
このローファイな映像と音が、必要以上にノスタルジーを倍加させ、余計にぼくを落ち着かない気分にさせているような気がする。
案外、デジタルリマスタリングされたクリアな映像とかでこれらを見たら、別にどうってことなかったのかもしれない。
ともあれ、実際に、ぼくの琴線にビンビンくる映像の数々を見ていただければと思います(笑)。
まずはキャンディーズから。
素晴らしい映像がたくさんアップされているのだけれども、今日は全キャリアをいっぺんに見られる「シングルメドレー」をどうぞ。
http://jp.youtube.com/watch?v=th3SlC3pEDY
不覚にも、最初にこれを見たときは落涙しそうになった。
とにかく、一人一人が発散するエネルギー量が半端ではない。熱い。
80年代以降のアイドルとは、ひたむきさ、気合いの入り方がまるで違う。
しょぼい演奏を、歌の勢いだけでぐいぐい引っ張っている。
これはアイドル・ソウルと呼びたい。
正に奇跡のガールズ・グループと言っていい。
キャンディーズに熱狂したのは、世代的にはぼくよりも5つくらい上の人々であって、自分自身、当時それほど好きだったという記憶はない。(そもそも小学校低学年とかだし)
でも、今こうやって改めて見ると、やたらと胸に迫るものがあるのは何故か。
特に「危ない土曜日」と「年下の男の子」に動揺する。
やはり74年の映像だ。
冷静にレビューするなら、「危ない土曜日」は、恐らく当時のブラス・ロックを模倣したと思われる、管のアレンジが秀逸。
「年下の男の子」はキャンディーズを一気にトップの座に押し上げた大ヒット曲だけれども、このイントロのブラスのブルージーなハーモニーだけで、涙が溢れそうになる。
当時は小学1年生。
「8時だよ全員集合」出演時のものと思われるこの映像も、リアルタイムで、正にテレビにかじりついて見ていたはずだ。
当時は、主にランちゃんとスーちゃんが大きく人気を二分していたと記憶しているのだけれども、現在の目で見てみると、どう見てもかわいいのはミキちゃんですな。
それと、ぼくは Perfume だと「のっち」が好きなんだけれども、それは、あのパフォーマンスでの、他の2人とは違う気合いの入り方、いつもほんのかすかに苛立っているような感じに、キャンディーズの幻影を見るからではないのか、と今思いつきました(笑)。
続いて本命、秀樹。
とにかく秀樹。
何はなくとも秀樹、秀樹、秀樹であった。
郷ひろみや野口五郎などには、目もくれなかった。
寝ても覚めても、ひたすら秀樹。
まずはやっぱりこれ。「激しい恋」からどうぞ。
http://jp.youtube.com/watch?v=0TIotxfc3qU&feature=related
感涙。
素晴らしいとしか言いようがない。
見よ、この熱さ。
画面が焼け付きそうな、ハードディスクがオーバーヒートしそうなこの熱気。
これぞ狂熱のライブ。
ルックスも、髪型も、アクションも、衣装も、歌唱も、今見ても普通にかっこいいじゃないか。
この姿にどれだけ憧れたことか。
小学1年生のぼくにとって、秀樹はまさしく神だった。
「ワイルドな17歳」というキャッチコピーでデビューして、ずーっと後に2才くらいサバ読んでたのが発覚したようだけど、それでも当時二十歳そこそこのはず。
それでこのパフォーマンス。
昔の人はすごい。
続いて「ちぎれた愛」
http://jp.youtube.com/watch?v=7DioOQ6GYUk&NR=1
パフォーマンスはこっちの映像の方が上だ。
このアクションのキレと圧倒的な歌唱力に刮目せよ。
当時歌が上手いと言えば、それはみな演歌歌手のことであって、大人は一様にアイドル歌手を「なんじゃこの下手くそは」とくさした。
それで、子供としては、そんなもんかと思っていたけれども、完全にだまされていた。
えらく上手いじゃねえか。
素晴らしくプロフェッショナルだ。
今でもマジでかっこいいと思う。
もう1曲、「薔薇の鎖」
http://jp.youtube.com/watch?v=dfXOZfIq5B8&feature=related
これを見て、失われていた記憶の一部が一気に蘇った。
このスタンド・マイクのアクションを、当時の子供たちがいかにかっこいいと思ったことか。
これをテレビで見ていたときの感触や、その頃の気分までが瞬時にフラッシュバックして、胸が熱くなった。
結局のところ、やはりこの時代のムードが、自分の中で、色んな意味で原点になってるような気がしてしょうがない。
三つ子の魂百まで。
三つじゃなくて、もう七つだったけども、大げさでなく、その後の生き方にも関わる体験になっているように思う。
スポ根の時代は、アイドルもとにかく熱かったのだ。
とりあえず今日はこのへんで。
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