今年もピアノ発表会
昨日は子ども達のピアノの発表会。
今年は息子と共演することに。
年賀状の一部に子ども達がベースとギターをそれぞれ抱えて写っている写真を使ったら、それをピアノの先生がめざとく見つけて、レッスンのときに、「この楽器は誰の? お父さんのなの? 発表会、出てもらって!」、ということになったらしい。
ぼくもそう言われるとまんざらでもないので、承諾。
息子のピアノと、ぼくのベース、それとギターの先生も加わって、トリオで「カントリー・ロード」(♪country road, take me home~ ってやつ)を演奏する。
選曲したのは先生です。
ポピュラー寄りの音楽教室なので、ピアノ以外にも、サックスやドラムやブルース・ハープやフルートや、いろんな先生がいる。
ドラムも入れようかという検討もなされたらしいが、見送りになったらしい。正しい判断だ。
リハは1回のみ。それも10分くらいで3回合わせただけだけれども、要は息子さえちゃんと弾ければそれでよいのだから、特に問題なし。
原曲はごく単純だけれども、多少ひねったコード進行にアレンジしてあって、弾いててもそれほど退屈じゃない。
そういうわけで、昼前に会場へ行って、簡単に音合わせ。
午後イチで発表会スタート。
まずは、プログラムの2番目で、4歳の娘が今回、発表会デビュー。
……のはずが、名前を呼ばれても舞台そでから全く出てこない。
もしや、と思って冷や汗が流れたその瞬間、「お母さん、舞台そでまで来てください」とのアナウンス。
案の定、そでで泣いている。
後で聞いたら、「おじぎするのが恥ずかしかった」とのこと。
やはりそででの待ち時間、ずっと1人にしておいたのがいけなかったか。
とりあえず娘の順番を飛ばしてもらって、プログラムが進行する間に、延々愚妻がなだめて説得を試みるも、泣きやまず。
そうこうしているうちに、プログラム27番、息子とぼくの出番に。
娘はやたらとセンシティブなんだけれども、逆に息子は、もう3回目ということもあってか、緊張感あまりになさすぎ。
出番直前までずーっと「ドラゴンボール」読みっぱなし。
そでに行く時間になって、「おいっ」と声をかけても「ん?」とか言っている。
そういう風なので、固くなることもまるでなく、テンポもばっちり、ミスタッチもゼロで、実に無難に演奏終了。
お気楽なのも、こういうときだけはうまく作用する。
次の難関は、プログラム34番、息子と娘の連弾「月夜」。
もちろん娘はまだ泣いている。
「どーでもいーや」って風の息子に愚妻が懸命に働きかけ、娘の説得を手伝わせる。
息子、あろうことか、成功報酬を要求。
しかし、こういうときはさすが子ども同士と言うべきか、兄の懐柔に、娘、すんなり応じる。
けろっとして、2人で舞台へ。
間違えることなく、落ち着いた弾きっぷりで無事演奏終了。
友だちに花束ももらって、娘、すっかりご機嫌に。
結局、いったん飛ばしてもらった娘のソロは、後半のトップに持っていくことになったのだけれども、待っている間、「わたしの順番、まだなの? 早く弾きたい」などと言っている。
「わたし、さっき上手に弾いたでしょ?」とも。
うーむ。
小学校5年生の出順に混ぜてもらって、無事出演。
ミスなし。最後のリタルダンドもきれいにキメた。
しかし、自分と愚妻はバタバタしっぱなしで、落ち着いて鑑賞する余裕なし。
全般的な印象としては、総じて昨年よりレベルが高かったような気がした。
下手な子がどんどんやめているのか、それとも全体がぐんぐん伸びているのか。
毎年注目している天才肌の兄妹がいて、今年も楽しみにしていたのだけれども、妹の方がいなくなっていた。
やめちゃったのか、それとももっとすごい先生に弟子入りしたのか。
兄が今年5年生で、妹は2年生ぐらいだったと思う。
去年は妹の早熟ぶりがすごくて、きっといつか兄を超えるだろうと思っていただけに、見れなくて残念。
しかし、兄ちゃんの方が、やっぱりすごかった。
去年はちょっと弾かされてる感じが出てきちゃってたんだけれども、今年は違った。
子ども、すげえ。
1年見ないと、えらいこと成長する。
指が速くまわるだけの子ならたくさんいるんだけれども、この兄ちゃんが別格なのは、この年齢にして曲想の理解がちゃんとできていることと、音楽を演奏する心構えみたいなものが既にしっかりとわかっているところだ。
なぜここでクレッシェンドなのか、なぜここでテンポを上げるのか、子どもは普通、指示されているからそのように弾いているだけであって、楽曲の中での必然性をちゃんと理解していない。
だから、曲が自分のモノにならない。
才能のある子は、そこのところが全然違う。
曲の意図をちゃんとわかっている。
兄ちゃんの今年の曲は「バウムクーヘン」。
ぼくはよく知らない曲だけれども、やはり難曲であった。
そでから出てきて、おじぎして、イスに座っても、この子だけはすぐに演奏を始めない。
時間をかけてイスの高さを調節し、何度も座り直して位置をじっくり定める。
鍵盤に手を置いてからも、すぐには始めない。
コンセントレーションを高めているのがわかる。
不機嫌そうな、気難しそうな表情も、なんかかっこいい。
グレン・グールドみたい。
うーむ、どうやったらこんな子に育つんだ。
聞けば、この兄ちゃん、ピアノだけでなく、勉強もスポーツも、何でもすごーくできるらしい。
むむむ。
そこまで行くともう悔しくもないです。
この兄ちゃんが演奏している頃、うちの息子は、すっかり発表会にも飽きて、会場の外で嬌声をあげながら、娘を従え、右手にロールケーキ、左手にピーナッツサンドを持って走り回っていたのである。
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