« 阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』を読む | トップページ | ひやわい »

2007年3月25日 (日)

小沢信男『悲願千人斬の女』を読む

小沢信男は初めて読んだ。
幕末~明治にかけての千人信心伝説・松の門三艸子、支店の数が妾の数の牛鍋屋王・木村荘平、日本一の狂人・芦原将軍、ご存じ究極の奇人・稲垣足穂、以上4人の評伝集。

内容もおもしろいのだけれども、文章が非常によいのに唸らされた。
小沢信男は昭和2年生まれ、とある。
どうもぼくは昭和ヒト桁と相性がいいように思う。

どの評伝も、大変緻密な調査と極めて理性的な考察に基づいたもので、非常に価値のある仕事だと思うのだけれども、文体は極めて軽妙で、アカデミズムの臭いがカケラもない。
講談風と言うか、落語風と言うか、実にリズミカルですらすらと読ませる。
これぞ昭和ヒト桁の国語力、か。
こういう人を今まで知らなかった不明を恥じる。

小沢信男は遅筆・寡作の人だそうだけれども、すらすら読める文章ほど、すらすらとは書かれていないものであって、さもありなん。

他の著作も読んでみようと思います。

|

« 阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』を読む | トップページ | ひやわい »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 小沢信男『悲願千人斬の女』を読む:

« 阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』を読む | トップページ | ひやわい »