節約の妙
百鬼園先生曰く
「節約の大切な事は必要なものを買はない事であつて、これが根本義です。不必要な物まで買ふなと云う必要はありません。」
出典は、昭和13年8月、大戦前夜の「百閒座談」。
内田百閒にはこの手の名言が腐るほどあるけれども、これも至言と言えよう。
敢えて言うなら、何を言っているのか意味がよくわからないところが問題と言えば問題だ。
しかし、恐らく実際には意味などなく、単に面白がって言ってるだけのことだとも思われるので、こちらとしては下衆の勘繰りなどせず、何も考えずに有難くお説拝聴して実践してみるのがよいと思われる。
うちは一馬力の四人家族で、生活にゆとりがないのは今に始まった事ではないけれども、またちょっと大きな買い物がしたくなった。
勤め人であるからして、仕事をがんばってもがんばらなくても、入ってくるお金は良くも悪くもほぼ一定だから、お金を貯めるには、別の方策を講じる必要がある。
堅実な方法としては、節約することだけれども、何をどう節約するかというのが難しいところで、下手な節約は生活を堕落させる。
ビールを発泡酒にしたり、肉を外国産にしたりするのは、最も下手な節約であって、そういう中途半端なのがいちばんいけない。
衣類をユニクロや無印で買うのも同様につまらない節約だけれども、慣れというのは恐ろしいもので、これについてはもう近年そのように躾けられてしまったので、それほど抵抗がなくなってしまった。
百鬼園先生のお説に従って節約を実践しようと思うけれども、「必要なものを買はない事」というのがなかなか難しい。
でも、「不必要な物を買ふ」というのは比較的容易であるので、とりあえずはそちらから取りかかることにした。
例えば新年が明けてからは、こまめに宝くじを買っている。
ロト6も含め、発売されるものは、少しずつだけれども全部買う。
毎週なにがしか抽選があるので、楽しみが増えたようで、早くも気分的に少し豊かになった気がする。
宝くじというのは、テラ銭が50%という、ヤクザどころではない、ほとんどインチキまがいのギャンブルであって、確率論的にはこれほど無駄な金の使い方はない。
年末ジャンボを3千円分買っても、買った瞬間に1500円は国に召し上げられているのだ。
これほど不必要な買い物はそうそうないから、節約計画の滑り出しは上々であろうと自負している。
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コメント
憂さ晴らしに高めのおしゃれ雑貨やおしゃれ洋服を買う。これが、ヒャッキンとかユニクロではいかんのですね。ちっぽけな自分をますますちっぽけにしてしまう(そもそもちっぽけな自分に憂いを感じて落ち込むわけですから)。お金で得られる「必要なもの」というのは意外に奥深いですわね。おほほ。で、最近は「高級茶」を飲む自分に酔っているわけです。
投稿: ショーエ | 2007年1月31日 (水) 04時35分
時計の電池は入れずにほっておいて、ブランドのカバンを買うんだよなぁ・・・。宝くじは買わないよ。前も言ったっけね。
投稿: ふより | 2007年1月31日 (水) 23時42分
ロト6、今見たら、早くも4等当たってた。7100円。実に中途半端だ……。
投稿: riki | 2007年2月 4日 (日) 00時57分